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内定者フォローレポート

2017.10.30

未卒のまま採用した社員が大活躍した話【No.64】

内定式前に内定が決まっていた男子学生本人から「大学を卒業できなくなりました」と突然の連絡。もしも自分の会社だったら、どのように対応するでしょうか。今回はその後の話し合いで学生のまま入社してもらい、その後大活躍した話をご紹介します。

内定から留年確定までの経緯

毎年、就職希望者が多く、採用倍率の高い有名温泉ホテルの会社があります。その会社にエントリーした鈴木太郎(仮名)さんは、成績証明書や単位取得証明書など応募書類には特に問題になるような部分がなく、志望動機も良くまとまっていました。

ペーパーテストや適性検査でも条件をクリアし、何度かの面接でも高評価を獲得。最終面接も合格し無事内定に至りました。内定を出した時には本人は大変喜び、会社としても内定承諾をもらえて入社後の活躍に期待しました。

しかし、突然の留年の連絡。事情を聞いてみると、本人は卒業単位を余裕もって取得でき、当然卒業できるものと考えていたものの、その中にあった必修科目の2単位を落としてしまったため、再試験を懇願してもダメで卒業できなくなったということでした。

一般的な大学では前期・後期と分かれて試験が実施されています。前期テストは7月におこなわれ9月にテストの結果がわかる大学が多いです。大学にもよりけりですが、厳しいところでは卒業単位は超えていても必須科目を落としていれば卒業できない大学もあります。

内定者の鈴木さんは迷惑をかけて大変申し訳ないが、自分としてはどうしてもこの職場(有名温泉ホテル)で仕事をしたいので来年もう一度挑戦させて欲しいということで、お詫びと再挑戦の話で来社されたそうです。

突然の申し出の中に熱意と真剣さを感じとる

親と相談し正式に大学を卒業したうえで、来年また挑戦させて欲しいという突然の申し出であり、対応した人事部長は、まさか大学を卒業できないとは予想していなかったが、本人の話の中に申し訳なさと、どうしてもここで働きたいという熱意に真剣さを感じました。

人事部長は役員に経緯を説明し、人事部長としての案を説明しました。それは授業のある日を仕事の休みとし、土・日・祝日は勤務させるということで未卒でも当初の予定通り採用するという案であり、役員に認められ予定通り採用することになりました。

本人に本気度を再確認

再度、本人の就職意欲や本気度を確認するために本人を呼び出しました。本人は親との約束でアパートを1年延長して確実に大学を卒業するつもりで準備していたそうですが、来年再受験する意思が強いことを確認。

次に役員にも加わってもらい、勤務条件や大学卒業できなかった場合には1年で退職させることを説明しました。鈴木さんからは親と相談したのちに是非お願いしたいとの返事をもらいました。

会社の配慮と本人の努力

この件については人事の一部と役員だけの情報とすることを本人に伝え、他の採用予定者と同様に内定式に出席してもらいました。会社では新卒入社の女性の宿舎は用意され、男性には借り上げアパートを準備していたそうですが、鈴木さんには毎週、平日大学に通学しやすいように、他の男性社員には別の理由にして違うアパートを準備したそうです。

本人は会社の配慮に感謝し、仕事を熱心にしながらも約束通り1年で無事卒業しました。その翌年以降も彼の仕事ぶりは他の社員以上に熱心で仕事に対しても工夫と改善を行い、社員同士のコミュニケーション能力もあり、上司に対してもどんどん提案を行う仕事ぶりで、会社の業績アップにも貢献し大活躍していることが認められました。

後日談ですが、それまでの組織上にはなかった社長秘書のポジションを作り、鈴木さんを抜擢することになったそうです。本人は新しいポジションに慢心することなく、さらに意欲を持って勤務しているそうです。

採用の人物評価方法を見直す

本来であれば卒業を条件(大卒)としての採用であり、未卒が確定した時点で内定取り消しが当然であり、過去にも似たような例や内定辞退などがあったそうです。しかし、今回は人事部長の経験と観察力・直観から本人の本気度を見抜き判断したことが功を奏したことになります。

このようなことがあってから会社の採用における評価方法を見直し、これまでの書類選考や一次試験のペーパーテストの内容より、待っている時の様子など普段の姿や人事以外の社員とのさりげない会話も含め報告させ、繰り返す面接で本気度をいかに見抜くことができるか人物評価の見直しを行ったそうです。

まとめ:会社も慣例を見直す必要もある

鈴木さんも、卒業証明書まで提出させる会社は減ってきているので、もしかしたら卒業できなかったことを会社に隠し、大学を未卒のまま退学(中退)しても入社できたかもしれません。

しかし、学生は正直に伝え、再挑戦の意欲を訴えたことが人事部長の心を動かし、客商売のホテルとしても平日休ませても業務に影響は少ないと判断もあり、結果として双方にとってメリットのある決断ができたことになりました。

採用は定型的なものではなく、ある時には慣習を破る強い意志やそれを受け入れる判断力や柔軟性の必要性があります。この経験をもとに会社の採用方法にも改善が行われ、現在も継続しているそうです。内定者が留年確定したときの対応で、会社の本当の価値が問われるときなのかもしれません。

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未卒のまま採用した社員が大活躍した話(161KB)

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